

クライアント|CAFE LAube
CAFE LAube
岩手県内に8店舗を展開する自家焙煎珈琲のCAFE LAube。2025年6月に、JR盛岡駅構内の新幹線待合室に出店したことで、従来とは異なる客層が増えたこと、そして改めて自らの事業を形として伝えたいとの意向で、新ホームページ制作に関わる全てを一括担当。事前の対話から始まり、写真・ウェブサイト制作・文章などを一人で行い、CAFE LAubeの世界観を形に仕上げました。
CAFE LAubeは、2014年以来、十年以上に渡って土地の方々と向き合い続け、自家焙煎珈琲の美味しさを伝えてきた企業です。はじまりは、現・CEOの明戸一眞さんが「一杯の珈琲」に感激した2008年頃。この美味しさを他の人にも知ってもらいたいという想いが、今日を創りました。
まだスターバックスが地元・北上市に進出する前で、人々にとって缶コーヒーが当たり前だった時代。明戸さんの想いに周囲は大反対。資金もない中、「なければ自作する」精神を持つ彼は、焙煎機と店を自作し、今日へ積み重なる歴史を自ら始動させました。
出会い
私が明戸さんと出会ったのは、2020年秋の盛岡。当時営業していた木伏にある開運橋店の夕刻、立ち寄ったことが始まりでした。既に薄暮に包まれた店内は、彼と私だけ。そこで一杯の珈琲を淹れて頂き、話を伺っている中で、彼の人柄から伝わる真摯な想い、ひたむきに土地の人々の日常を考え、一杯の珈琲を通じて提供する安らぎに感銘を受けたこと。静謐ながらも腹の底に宿る熱意に共感し、当時彼が展開していた3店舗を共に周り、自作した焙煎機から出てくる豆の芳醇な香りを撮影したことが、今日の縁となりました。
当時、業者にホームページを作ってもらったものの、担当者は全く向き合ってくれず、写真もサイトも杜撰ながら、高額な費用だけを払った経験があった。その話を聞き、いつか彼の想いを汲み取り、それを伝える形にしたいと漠然と考えたことを今も覚えています。
幸い、時代が大きく代わり、たった一人で写真・デザイン・文章・ウェブサイト制作を含めて、個人が一括で制作できる環境が整いました。その後もCAFE LAubeは使命を全うしながら、2022年に法人化し、現在は8店舗を展開する企業へと成長。その間、何度も岩手を訪れて対話を重ねながら、淡々と動き続ける明戸さんの姿を見てきた私は、ようやく彼の世界観を形にできる時が来たと感じました。奇遇にも、新たにホームページ制作を思案していると話を聞き、そこで一括して担当する提案を行いました。





プロジェクトの流れ
課題は、言葉にできないCAFE LAubeに通底する想いを、どのようにして形にするかでした。今回、対話を重ねて作り上げたのは、ホームページではありません。考えたことは、たった一つ。「物語は、既に在る」。既に在る物語を、真摯に汲み取り、形にすること。これが私の仕事でした。
通常は、複数の外注先(カメラマン、デザイナー、ライター、コーダー)を束ねないと実現できないことを一人で統合するメリットは、何と言っても「一貫性」です。クライアントの意志や想い、歴史や物語を形に昇華する時、外注先が複数になれば、当然ブレます。たった一人でクライアントと徹底的に向き合い、彼らの心が本当に語ろうとしているものを掴み取り、それを自らのスキルを動員して形にする。これが今回の最大の挑戦でした。同時に、岩手の人々にとってはCAFE LAubeが日常となった歴史、県外の人々にとっては魅力を適切に訴求することが要求されました。もう一つ、新店舗には外国人旅行者も多いため、STORY of CAFE LAubeは日英で制作しました。
制作前に何度も対話を重ねて構想を練り、2026年6月2週目に1日で8店舗を巡って全ての撮影を行い、ホームページをリリースしたのは7月1日。速度感、質も去ることながら、何より、明戸さんに心から喜んでもらえたことが大きい。今後も次のステージへ向かうCAFE LAubeと、率いる明戸さんの姿と対話を続けていきます。



